ゲーム「塊魂」がおしえてくれる人生の厳しさ

塊魂というゲームは、塊を作るゲームです。宇宙の王様が、酔っぱらって星をたくさん壊してしまったので、その王子が塊を作って星を作るという設定です。最初は小さい塊なので小さい物しか巻き込めませんが、大きくなるごとに大きい物を巻き込むことができるようになります。

塊が大きくなってから、以前通った道に戻ってみると、以前より小さく見える。そして、より大きい物を巻き込むことができる。私も20歳の同窓会で東北に行ったとき、ふるさとがとても小さく感じたことに似ています。

私は塊魂がうまいので(?)、今までは目標よりも大きいサイズの星を作ることができていました。しかしついに今日、目標未満の星を作ってしまいました。王様は王子をせめることはありません。「王子が悪いわけじゃないんだよ。信じた王様が悪かったの」「もういいから、どこかに旅立ちなさい」と王様は淡々と言います(あんなに楽しげなゲームだったのに!)。これも現実と似ているのかと思う。うまくいっているときは楽しいし、周りの人も友好的。だけどこっちがうぬぼれて、準備不足だったりすると、それで人生ひっくり返ってしまうことがあると、このゲームは言っている気がします。

たぶん王様の淡々とした対応は、幼いときの私がプレイしたのでは「王様が残念がっているなー」くらいにしか思わなかったはず。だけれど今なら、悲しまれるより、相手が淡々と接するようになってしまう方がこっちの心につき刺さることもわかる。子供も大人も、おじいさんもおばあさんも楽しめるゲームが広がっているけれど、それぞれが、その年代でわかることを含んでいるゲームも「誰でも楽しめるゲーム」になり得るのだなー。本に似ている。少し時期を置いてまた読んでみると、その時の興味や経験で、心に留まる部分が違ってくる、本。

明日も、塊魂をやろう。