学校裏サイト

学校裏サイトについてまとめてみた。


学校裏サイトとは「中学生や、高校生が学校の公式サイトとは別に、交流や情報交換のために作ったサイト」である。今なら小学生も学校裏サイトを持っているだろう。無料でホームページを作れる環境があるし、その中にチャットルームや掲示板を作ることも簡単だ。


私も高校時代にクラスの学校裏サイトを作ったことがある。裏と言うほどアンダーグラウンドな思い出はないが、クラス内でカップルができたらそこに本人が書き込みをしたり、面白いことを誰かが匿名で書いて、匿名の誰かが褒めたりもしていた。匿名であり、裏サイトであるという雰囲気が独特で楽しかった。もちろん荒らしにもあった。荒らしてしまう心の人もいるのだなと感じたと同時に、学校では見えない人の心の奥の一部がそこに見えた気がした。


私は浪人したのだが、予備校にも学校裏サイトがある。自分の予備校の悪いところや、講師の学歴、講師の好き嫌い、事務のお姉さんの顔の評価など、みんな自由に書き込んでいた。というか、学生の個人名を出さない限り、何でもありだった。講師も見ているらしく、自分の悪口が書かれていたらそれを擁護する書き込みをしているようだ。「あの先生、授業では厳しいけど、質問に行ったらとても優しかったよ」とか、そんな感じだ。その後、他の人に「本人乙」など書かれていてそれも楽しかった。


思い出はそのあたりにして、学校裏サイトの最近の動向をまとめてみよう。

  • 個人名を載せっぱなしにしていた管理人(26歳)が逮捕された
  • 「〇〇です。小6です H大好きです! 誰か犯してくれませんか☆」
  • 自分の裸の写真を公開する女子中学生
  • 「○○は死んでよし」といった誹謗中傷やデマ
  • クラスのカッコ悪い人ランキング
  • 「ズームイン!!SUPER」で取り上げられる
  • 盛り上がるのは誹謗中傷と裸画像


学校裏サイトが発生した原因は、携帯電話の普及、パケット使い放題、サイトを無料で作れる環境である。インターネット機能が付いた携帯電話を中学生などに持たせているのは日本だけだ。問題なのは、それにフィルター機能が付いていないことだ。携帯電話の検索も充実してきて、パソコン用のサイトも見れる。検索サイトで卑猥な言葉を入力すれば、無限にそういう画像を見ることができる。そういう書き込みも見れるし、顔も知らない人と知り合いにもなれる。


私が小学校のときは、携帯電話なんてなかった。動ける範囲が自分の世界だったし、「あの道路より向こうへは親の許可がないと行ってはいけません」という決まりがあった。つまり、物理的に世界は閉ざされていた。得られる情報も閉ざされていた。中学校でも携帯を持っているのは少数派だった。高校ではほとんどが持っていたけれど、携帯でやれることはメールくらいだった。出会い系サイトでモデルと仲良くなったと自慢してきたブサメンもいたけれども。


今は携帯を中学生ならまず持っているし、小学生も持っているだろう。キッズ携帯と名前が付いているものがあるが、フィルター機能を有効にしておかないと、問題のあるサイトに自由にアクセスできる。全然キッズ携帯ではないし、安全でもない。情報の壁がなくなったので、今までなら知り合いになるはずのない画面の向こうの20歳を越えた男性と、女子中学生が仲良くなる時代になった。


昔は何かやれば親にバレた。顔色や行動を見ていれば何か悪いことをしていても分かると私の親は言う。今は携帯を無表情でいじっていても親は何も感じ取ることはできないだろう。中学生の娘がメールしてると思っていたら、匿名の異性と知り合いになっている最中だったりする。同年齢の人と知り合いになり、会うことになって待ち合わせの場所に行ったら、相手が20歳過ぎた男性だったという状況が起こったりする。とりあえず喋ってみて、楽しくて、そのうち男性が体を触ってきても、拒めなかったり、他の女子より経験を積みたい年頃だから男の好きなようにさせてしまったりする。


今と昔は全然違うということを意識しなければならない。その変化に一番影響を受けているのが、経験の少ない子供達である。親からすればゆるやかな変化が、子供には何倍にもなって感じられる。インターネットの自由な世界は、子供達には刺激的すぎる。もう広がってしまったものはしょうがない。「そういうサイトにアクセスするのはやめなさい」と言っても聞くわけがないし、そのサイトの主に閉鎖させたって別のサイトが生まれる。学校裏サイトの危険性や、誹謗中傷はいけないなんて言ってもその言葉は子供達には届かない。親にやってほしいのは、子供とのコミュニケーションだ、とも簡単には言えない。中学生や高校生は親からのコミュニケーションを拒否する年頃だからだ。親には何もできない。もう手をつけられないのだから、親ができることは、「うちの子供だけは違う」と楽観的にとらえるしかないのではないか。

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