読書「損する結婚 儲かる離婚」

損する結婚 儲かる離婚 (新潮新書)

損する結婚 儲かる離婚 (新潮新書)

もし結婚したとして、相手が浮気をしたら相手の責任なので、あちらから慰謝料をもらって離婚完了、そう思っていたのは勘違いだった。慰謝料はもらえるかもしれないが、それは100, 200万円ほどで、それよりも大きいのは「婚姻費用」。これは夫と妻の年収差が大きいほど払う量が増え、年収が多い方が年収の低い方に払う。これは離婚完了まで別居していても払う必要があり、年収の低い方は離婚を引き延ばした方が経済的に良い選択となり、5年引き延ばすことも可能である。

一番大きいのは婚姻費用だが、「財産分与」も中くらいのインパクトがある。結婚してから築いた資産は半分に分けるというもの。さらに子供がいれば「養育費」を子供が成人になるまで払う必要がある。互いの年収に差がある状態で結婚して子供ができて別れたら、妻に5年スパン、子に20年スパンで支払う必要があり、数千万支払うことになる。人と人の気持ちの問題であると考えがちな結婚だが、実際はマンションを買うレベルの大きな契約である。

結婚しなくても、同居していたら事実婚として「財産分与」は発生しうるが、同居を辞めれば「婚姻費用」を払うことは避けられる。現実は「結婚すると面倒だから事実婚にしよう」というのは日本では一般的ではなく、相手が納得しないだろうから、離婚する確率を見極めるために年単位で同棲して、嫌な部分も乗り越えていけることを確認してから結婚するのがいいし、年収差が小さい相手と結婚することで婚姻費用による問題を小さくすることも大切である。