私小説「苦役列車」プライド高いなら努力しなよ

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情報

  • 私小説
  • 2010年、芥川賞
  • 著者:西村賢太芥川賞後はよい生活をしているのかと思いきや、2012年に仕事でトラブル、今も書き続けているようだが華やかではなさそうだった

内容

  • 貫多(かんた)
  • 父が犯罪者。離婚。一人暮らしをはじめる、日雇いへ
  • 番号のついたバス、作業、日当5500円など具体的な描写
  • 楽しみは酒・タバコ・安ソープ
  • 怖いもの見たさ系。闇金ウシジマくんのような
  • 安い弁当などの描写。空腹なのだろう、食べ物描写が多い
  • 専門学生の日下部と出会う。同い年(19)ということもあり打ち解ける
  • 日下部もいるし、勤務頻度が上がる。普段の食事も少し豪華にでき、これから好転する期待感
  • 家賃滞納。得意の土下座で凌ぐ。それも通用しなくなり立ち退き。日下部に5万借りる。家賃1.5万なのでそれで間に合う
  • フォークリフトの試験に受かった日下部。待遇も上がり、貫多と疎遠に
  • 日下部に彼女ができる。その彼女から友達を紹介してもらおうと野球を理由に3人で会う
  • 世界の違い・蔑視を感じ、ひどいことを言う。紹介してもらう作戦失敗。日下部とも疎遠に
  • 日下部、日雇い仕事を辞める
  • 貫多、職場で喧嘩、クビになる
  • 借金のやりとりもあるのでかろうじて日下部と連絡先交換。5万円を返した記述なし
  • 数年後、結婚し郵便局員となったことを知る。貫多は変わらず人足(にんそく)。終

なんで?と思った箇所

  • 安居酒屋で2000円ほど飲み食い。買い食いの方が安いだろう
  • 倉庫作業内の上級職に付くチャンスがあったのに取らない。不幸ルートを選んでいるかのよう
  • 友達にひどい事を言う(一発で縁を切られるだろう)
  • 借金踏み倒しが多い

感想

  • 何か悪いことをしても反省せず、この世界が悪いという考えなので、印象が悪い
  • その日暮らしで欲に従って生きていて、他人をバカにしている
  • 私小説といいつつも色々脚色しているのでは
  • 読んで損したという感じはない(100円で入手したのだが)。こういう感じのも芥川賞を取れるのね

学び

  • 日下部が貫多にサイダーをおごったところが爽やかで印象良かったので真似したい