私は2年前にコンピュータサイエンスの修士過程で 機械学習を用いたコンピュータビジョンを研究テーマとした。 卒業研究・修士研究時の悪循環を防ごう http://d.hatena.ne.jp/next49/20081019/p2 を読んで、私が学生に伝えたいこと。 --- ■心の持ち方 "博士研究は別として、卒業研究と修士研究は成果ではなく努力を評価の対象としている" ということを知り、追い詰められないで楽しくやるべし。 ただ、努力は成果にならないと目に見えないので、「どう見せるか」を意識しながら作業すべし。 ■必要な知識 必要な技術は "数学能力、プログラミング能力、英語力、機械学習とコンピュータビジョンの知識" であり、学部4年から修士終了までを費やしたとしても間に合わない。 間に合わないことを前提に、どこに時間をかけるべきかに気をつけるべし。 私の場合、画像処理の基礎の方までさかのぼったこともあったが、 それは研究の成果に大きな貢献はしなかった。 ソースコードを読むにしても、全部を読むのではなくて、 知りたい処理の部分だけを読まないと時間が無駄になることと同じである。 ■研究の進め方 発表の価値がある論文を多く出したいのなら、 教授の頭脳をお借りして、自分はプログラミングなどで手となればいい。 それは無駄ではないし、大学に評価されて表彰されたり、奨学金免除となったりする。 逆に、私は自分で手法も考えて全て自分で進めたが、 やはり知識不足だった。 ただ、自分で手法から考えて試行錯誤した経験は良かったし、 やらされてる感は全くなかった。 どちらが向いているかは人それぞれで、合っている方を選べばよい。 ■テーマ ちょうどよい大きさのテーマを選ぶことが大切。 簡単すぎると感じるくらいでもよい。そんなに簡単にはいかない。 いきなり高い山に挑戦すると心が折れるので、 まずは緩やかなふもとで調子を上げていくと、より高い山に行ける。 ■就職活動 理系で推薦を使う場合、研究のプレゼンをすることが多い。 就職が近くない時期から、自分が研究を通してどう成長したか振り返っておくべし。 面接では研究の成果以上のことを伝えられる。 私は自由応募で就職活動をしたが、 何を考え、どう動き、どう成長したかを振り返っておくことで 面接で伝えられるようになることは同じである。 面接で質問が来てから思い出して考えて、 研究の意味や成長したことを伝わるように話すことは無理。 事前に振り返って、自分で自分に説明しておくべし。 --- 以上です。