先日のプロフェッショナルは、
癌患者に関する専門看護師の話だった。
専門看護師の勤める病院の一室に、
結婚を控えた娘と、癌に冒されたその父がいた。
父は娘の結婚式を見たいが、
それは難しいかもしれないと考えている。
医師も難しいと判断した。
そこで娘と専門看護師が相談して、
結婚式の前に写真を撮ることを思いついた。
あとは父にそれを伝えるだけ。
しかし、それは父に結婚式まで生きられないことを伝えることになる。
専門看護師がついに伝えたとき、
今まで疲れで無表情だった父が涙目になり、
(写真に写れるように)「がんばります」
と言ったのが印象的だった。
自分は娘の結婚式まで生きられない悔しさと、
あと少しだけがんばるという気持ちが伝わってきた。
そして写真を撮るとき、
父の顔が少しゆるんだ。
悔いはなかったように思えた。
そして、数日後に亡くなった。
人はいつか死ぬ。
尊敬している人も、
友達も、
私もいつか死ぬ。
そのときは一本線の口が、
少しだけUに近づいて死ぬのなら、
それで悔い無し。