葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ (本格ミステリ・マスターズ)
歌野 晶午
文藝春秋
売り上げランキング: 139040
おすすめ度の平均: 3.0
3 葉桜の季節に呼んで頂きたい
4 だまされたが納得
4 新ミステリー?
4 格好良い生き方
1 気持ち悪い

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私が読む本は実用書(プログラミング、コンピュータ、ビジネス書)などが多く、小説はほとんど読まない。でもふと読みたくなって「葉桜の季節に君を想うということ」を読んだ。これはミステリー小説で、ミステリー小説ってのは読者が「筆者に騙されるもんか!」と謎解きのヒントを探しながら「ここが怪しい」「こういう仕掛けなのではなかろうか」と読んでいくもののようだが、私は慣れていないのでとにかく読み進んでいった。

結果、「筆者にはめられた!」。「こういうことだったのか!」と驚いた。「謎解きというより「落ち」ですねこれは。 」という感想を残している人もいるので(私は映画や本の後にAmazonのレビューを読むのが好きだ)、「ミステリー小説ってこういうものなのか!」と思い込んではいけないのだろうけど、「ミステリー小説ってこういうものなんだろうな!」とは思っていい気がする。

「筆者に騙されないぞ!」とヒントを探す読者と、「読者に見抜かれてたまるか!」と作戦を練る筆者の戦い、それがミステリー小説の楽しいところなのだろう。「これがミステリー小説なんだな。こういう読み方、本の楽しみ方もあるのだな」と思えたので、この本を読んで良かったと思う。また、珍しく私が400ページを超える本を1日で読み切ったことから、この本には人を飽きさせず進ませる力があったのだなぁと思う。それはどこなのか確認するためと、トリックがうまく組み込まれていることを確認するために、また読み返したい作品だった。

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(すかさず追記):人は「やっちゃったことに関しては肯定したがる」ものだと思う。だから何時間もかけて読んだ本は「いい本だった」と思いたい。それもあってか上では良く書きすぎたように思う。得点を付けるなら、60点。Amazonで言えば「★3つ」かなと思う。最後のオチで「ええ!でもそれは。。。ありなの?」と思ってしまったし、Amazonのレビューで怒っている人がいるのも納得できる。人に進んで薦めようとは思わない。ただ、読みながら「ああ、そういう考えもあるよね」とメモしていった言葉のパーツたちはかなり多い結果になったので、「読んで後悔した。。。」というほどでもない。装丁や題名は、いいですよね。おわり。

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(またまた追記)なんと一貫性がないのでしょう私は。でもこの本のオチに関して「ありかなしか」って聞かれたら、「あり」です。「それもいいじゃん」って思う方です。「こんなのミステリーじゃない!」って言う人もいますが、「んー。。。ありあり」です。なんでも否定するより、肯定する方がいいんじゃないかな。